二次創作の更新履歴など
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第15回北斗杯 表彰式あとレセプション
「いいか、彩。このレセプションが終わってから家に帰ったら11時近くなるからお前は泊まって明日の朝帰ってこい。私は明日から米子で、家を早朝に出なきゃならないから、準備もあるしこのまま家に帰る。お前は家に荷物置いたら、私が帰るまであかりの家で面倒を見てもらうんだぞ。」 「お姉ちゃん、私だって来月には15になるのよ。留守番くらい出来るわ。」 「だめだ、お前に何かあったら父さんや母さんにどう謝ればいいんだ。頼むからあかりのところに行ってくれ。」 ー ねぇ、お姉ちゃん、腕が震えてる。そんなに強く抱きしめたら息が出来ないよ。 何をそんなに怖がっているの ー 「やぁ、進藤。頼まれてたソウルや北京でプライベートで打ってきた棋譜書いてきたよ。上に部屋にあるから帰りに渡すよ。声をかけてくれ。僕はここで明日前夜祭なんで泊まりなんだ。」 「サンキュー、塔矢。こっちは明日6時に家を出て米子なんでレセプション終わったらすぐにここを出たいんだ」 「じゃぁ、レセプションが終わったら11階で待っててくれ、こちらもすぐに行く」 「たすかるよ」 ー この人は姉には大変に優しい、気がつくと姉を見つめていることが多い。でも私には ー ー うーのどかわいた、今何時だろう 二時過ぎ? 変な時間におきちゃったなぁ。あっ、水さっき飲みきったんだっけ、自販機って11階だっけ。パジャマにじゃまずいよね。さっき脱いだスーツきてくしかないかな ー ー 誰にも見つかりませんように ー ー あ、どっかでドアが開いた。廊下走ってこっち来る。えっ、お姉ちゃん? 明日早いからすぐ帰るって ー 姉の来た方を見るとあの人がドアの前にたたずんでいた。 私に気がつくと冷笑するように私を見て、部屋に戻っていった PR
11階のエレベーターホールで塔矢を待っているとすぐにやってきた。
3年前、5年前だったら部屋には入らなかった。 あの頃の塔矢はオレに結婚を迫って、誰かに唆されたのか犯罪行為に近い既成事実をつくってしまおうとしていた。 だが2年前、塔矢はそれまで断っていた見合い話を断らなくなった、オレに対しても穏やかになった。だから、安心していたんだ。でもそれは油断だった。 塔矢の泊まる部屋はツインで、手前側のベッドの上には何着かのスーツが広げられていた。 頼んでいた棋譜はまだほどいていない荷物の中にあるので出すのに少し時間がかかるからとコーヒーを勧められた。豆や道具を持ち込んでいたんだ。横にあるのは見合い写真だ。何枚もあって山になっている。胸の奥が掴まれたみたいだ、苦しい。でも、塔矢にバレないようにしなきゃ、オレは結婚は出来ない。 奥の窓際のソファに座り、塔矢の入れたコーヒーを飲みながら時間つぶしに今日彩の打った棋譜を検討していた。 なんか、コーヒーがいつもより苦い気がする。やっぱり初めての団長で気が張っていたのか、うとうとし始めてしまった。気がつくと塔矢が目の前に立っていた。棋譜はあったのか? 「疲れているんだね、少し休んでいくといい」 いや、いいよ。明日早いんだ。棋譜をもらったらすぐ帰らなくちゃ。 塔矢に抱き上げられた、逃げようとしたのに身体が動かない。 ベッドに横たえられた、覗き込んでくる塔矢の眼が3年前と同じだった… 首を振って、駄目だと塔矢に伝えたかったのに身体が動かせなくて出来なかった。 塔矢にスーツを脱がされ、下着も取られてしまった。 シャッター音?まさか 「進藤、君は本当にきれいだね」 塔矢、それは見た目だけだ。オレは穢れているんだ。だからお前みたいに本当にきれいな奴はオレに触れてはいけないんだ。 衣擦れの音が、塔矢が服を脱ぐ音がする。 塔矢が、裸の塔矢がオレに覆い被さって、自分のスマートフォンをオレの眼の前にかざした。 そこに映っていたのは、なにも身にまとっていないオレを足元から写した写真だった。 気がつくと、塔矢の指があり得ない場所に触れていた。知識としてはオレだって知ってる。誰にもまだそんなところに触れられたことは…あいつは触れたのだろうか?オレは気がつかなかったのか?忘れたのか?…次に感じたのは引き裂かれたような痛みだった。 気がつくと、オレはドア側のベッドに買った憶えのないキャミソールと下着を身に着けて一人で寝ていた。風呂かシャワーに入れられたのか汗もかいていなかった。身体は動いた。ベッドの足元側にはオレのキャリーバッグがあり、備え付けのデスクの椅子にスーツが掛けられていた。塔矢は隣のベッドでパジャマを来て背をこちらに向けて寝ていた。オレは起き上がると塔矢を起こさないようにスーツを着て、部屋を出た。 オレはこの時、彩に見られていたことも塔矢が狸寝入りでオレがエレベータに乗ったのをドアのところから確認したのも後々まで気がついていなかった。そして、なぜこの日だったのかも気づいていなかった。
去年、父が北海道に転勤した。姉と私は仕事があるので東京に残り二人暮らしを始めた。
去年の秋、一学年上で退学者が数人出た。そのせいか昨日の夏休み前最後の保健体育の授業は妊娠についてだった。 先生の言っている妊娠の初期症状に思い当たることが多すぎる。 私はいつの間にか真剣に聞いていた。 お姉ちゃん。どうして。 眼に浮かんだのはあの時のあの人の冷笑のような顔だった。 夏休み初日に手合い。もうぅ。 でも、これが終わったらお姉ちゃんと一緒に因島に、私の生まれた島に帰って両親と合流することになっている。 おねえちゃんはこれからどうするのだろう。 細かい碁になって、整地して四目半で私の勝ち。 もうこんな時間。 お姉ちゃん、私の荷物も持って迎えにきてくれるはずなのに。 廊下に出たら事務局の人に呼ばれた。 「進藤先生、進藤さんのことを事務室で待っていらしたんだけど。倒れられて、進藤先生は貧血だから少し休めば大丈夫をおっしゃったんだけど。塔矢先生がお父様といらしてて、お家で休ませるってタクシーで連れていかれたの。どこか旅行行くことになってたの?キャリーバッグがそのままのこってて。」 あの人のマンションは知らないけれど塔矢先生のお家は北斗杯の合宿で使わせていただいたから知っている。あの人はお姉ちゃんを身一つで連れて行ってしまったみたいで、携帯やお財布が入ったバッグも残ってる。緊急っぽいメールも着てる。私はタクシーで塔矢先生のお家に向かった、東京駅で待ち人をピックアップして。
昭和61年(1986) 9月20日ヒカル誕生
同 12月14日アキラ誕生 平成8年 (1996) 4月 佐為ソフトウェアメーカーに就職。 平成10年(1998) 元旦 数13歳 同 7月 佐為、体調を崩し退職・入院。 同 10月 佐為、平八宅に引き取られる。 同 12月 ヒカルとアキラ出会う 平成11年 4月 中学入学 同 10月 アキラ(中1・12)プロ試験合格 同 12月 ヒカル(中1・13)院生 平成12年 5月 第9回若獅子戦(アキラ優勝) 同 9月 遠方の親戚が亡くなり、平八夫婦、正夫夫婦が泊まりがけで葬儀に向かう。 同 10月 ヒカル(中2・14)プロ試験合格 平成13年 4月 SAI VS KOYO 同 5月5日 佐為 死亡 同 5月 ヒカル妊娠判明、腎盂炎と偽り休業届け提出。 同 5月 第10回若獅子戦 同 6月 ヒカル出産、母美津子としてカルテ作成し正夫次女として出生届 同 7月 ヒカル(中3・14)プロ復帰 平成14年 3月 中学卒業 同 5月 第1回北斗杯 同 5月 第11回若獅子戦
藤原佐為(すけなり)
血液型A。 ヒカルの祖父・平八(進藤は妻の実家の姓、一人娘だったので妻の姓を選んだ)の実兄の孫。 因島の網元・資産家の一人息子だが病弱のため姉が跡取りとなっていた。 先天性の心臓疾患と子どもの頃からぜんそく持ち。一時は成人するのも危うかった。 小学5年の時は全国子ども囲碁大会決勝まで進んだが対局中にぜんそくの発作を起こし棄権(対戦相手:緒方)。 6年生の時は準決勝で心臓発作を起こし棄権(対戦相手:白川、反対の山の決勝進出は緒方) 京都の大学に進学。大学在学中に交通事故で両親と姉夫婦を失い、最近親者が祖父の弟である平八になる。 大学卒業後東京のソフトウェアメーカーに就職したが体調を悪化させ一年で退職し、平八宅で静養することとなる。 ヒカルが中学三年の5月に死去。 周平 佐為の姉の夫の弟。 進藤彩。中学三年 血液型A。ヒカルの14歳違いの妹。ヒカルや美津子と同じく盆の窪にほくろがある。 院生を経て中学一年にプロ試験合格。中学卒業後は囲碁に専念したいが姉からは高校進学を勧められている。 進藤ヒカル。28歳 独身 血液型O型。両親ともB型。 中学三年のとき腎盂炎となり2ヶ月ほど因島の病院に妊娠中毒となった母とともに入院していた。 第15回北斗杯日本代表団長。二冠、女流三冠。 塔矢アキラ。28歳 独身 ヒカルと同学年。三冠。 |
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