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二次創作の更新履歴など
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11階のエレベーターホールで塔矢を待っているとすぐにやってきた。

3年前、5年前だったら部屋には入らなかった。
あの頃の塔矢はオレに結婚を迫って、誰かに唆されたのか犯罪行為に近い既成事実をつくってしまおうとしていた。
だが2年前、塔矢はそれまで断っていた見合い話を断らなくなった、オレに対しても穏やかになった。だから、安心していたんだ。でもそれは油断だった。

塔矢の泊まる部屋はツインで、手前側のベッドの上には何着かのスーツが広げられていた。
頼んでいた棋譜はまだほどいていない荷物の中にあるので出すのに少し時間がかかるからとコーヒーを勧められた。豆や道具を持ち込んでいたんだ。横にあるのは見合い写真だ。何枚もあって山になっている。胸の奥が掴まれたみたいだ、苦しい。でも、塔矢にバレないようにしなきゃ、オレは結婚は出来ない。
奥の窓際のソファに座り、塔矢の入れたコーヒーを飲みながら時間つぶしに今日彩の打った棋譜を検討していた。
なんか、コーヒーがいつもより苦い気がする。やっぱり初めての団長で気が張っていたのか、うとうとし始めてしまった。気がつくと塔矢が目の前に立っていた。棋譜はあったのか?
「疲れているんだね、少し休んでいくといい」
いや、いいよ。明日早いんだ。棋譜をもらったらすぐ帰らなくちゃ。
塔矢に抱き上げられた、逃げようとしたのに身体が動かない。

ベッドに横たえられた、覗き込んでくる塔矢の眼が3年前と同じだった…
首を振って、駄目だと塔矢に伝えたかったのに身体が動かせなくて出来なかった。
塔矢にスーツを脱がされ、下着も取られてしまった。
シャッター音?まさか
「進藤、君は本当にきれいだね」
塔矢、それは見た目だけだ。オレは穢れているんだ。だからお前みたいに本当にきれいな奴はオレに触れてはいけないんだ。
衣擦れの音が、塔矢が服を脱ぐ音がする。
塔矢が、裸の塔矢がオレに覆い被さって、自分のスマートフォンをオレの眼の前にかざした。
そこに映っていたのは、なにも身にまとっていないオレを足元から写した写真だった。

気がつくと、塔矢の指があり得ない場所に触れていた。知識としてはオレだって知ってる。誰にもまだそんなところに触れられたことは…あいつは触れたのだろうか?オレは気がつかなかったのか?忘れたのか?…次に感じたのは引き裂かれたような痛みだった。

気がつくと、オレはドア側のベッドに買った憶えのないキャミソールと下着を身に着けて一人で寝ていた。風呂かシャワーに入れられたのか汗もかいていなかった。身体は動いた。ベッドの足元側にはオレのキャリーバッグがあり、備え付けのデスクの椅子にスーツが掛けられていた。塔矢は隣のベッドでパジャマを来て背をこちらに向けて寝ていた。オレは起き上がると塔矢を起こさないようにスーツを着て、部屋を出た。

オレはこの時、彩に見られていたことも塔矢が狸寝入りでオレがエレベータに乗ったのをドアのところから確認したのも後々まで気がついていなかった。そして、なぜこの日だったのかも気づいていなかった。
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