二次創作の更新履歴など
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
本因坊の挑戦者となるまで彼は一週間とあけずに父に会いに来ていた。
父が亡くなってからも彼は月に三・四度と我が家を訪れ母に父の思い出話を聞いていた。時には父の愛人だった人たちが加わることもあった。 父の亡くなった年と翌年は台風の当たり年だった。台風が関東を直撃する度に翌日が対局でも彼は泊まり込んでくれ台風のさったあと家や庭の手入れをしてくれた。 彼と母の睦言はいくつもの壁や襖に遮られても切れ切れでも僕の部屋まで聞こえた。両親の睦言を子守歌に育った僕は最初さほど気にしていなかったがある日気がついてしまった。彼が呼んでいるのは父と母、母が呼んでいるのは父と彼。 母が昨年亡くなり僕らに残されたのはお互いと生まれて半年の妹・望だけだった。 彼は今でも涙を流しながら眠っている。そんなとき僕は彼の布団に潜り込むそうすると彼は彼は「さい・先生・明子さん」といいながら僕を抱きしめてくれる。 いつかきっと僕の名前を呼んでくれと僕はそのたび望む。 PR ![]() ![]() |
カレンダー
カテゴリー
ブログ内検索
|