二次創作の更新履歴など
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いったい何度目の挑戦なのか、接戦を繰り広げながらも終わってみれば後一歩及ばず。アイツが師匠からタイトルを取ってから七年いや戻ってきてからの十二年そんなことの繰り返しだ。明後日にはまたアイツのタイトルを奪うために家を空ける。なかなか寝付かれないせいかそんならちもない考えが何度も浮かびそのたびに寝返りを打っていた。そんなときに鳴った携帯の相手はそのらちもない考えの原因となったヤツだった。
「緒方?」 「どうしたんだ、こんな時間に。」 「頼みがあるんだ、アキラを迎えに行ってくれないか」 「アキラ? 棋院? こんな時間まで?」 「いや、第三公園のなかよし山のトンネルにいると思う。 さっき、ちょっと遣りあちゃって。あいつ頭に血が上ってると思うから、オレじゃ駄目なんだ。」 「緒方君」急に電話の声が女に変わった。 「藤崎さん?」 「ヒカル、けがをしていて動けないの。アキラ君のことお願いできるかしら。」 「けがって。」 「大丈夫よ、明後日にはちゃんと行けるようにするわ。アキラ君に手こずるようなら明後日に支障がないように白川に渡してちょうだい。そろそろそちらに着く頃だわ。」 そのときジャストタイミングでインターフォンが鳴った。 「詳しいことは白川に訊いて頂戴。」 そう言って携帯は切れた。 インターフォンに出ると彼女の予告通り白川がすぐ降りてこいと言ってきた。手早く着替え降りてゆくと白川はすでに運転席で待っていた。助手席に座って気づいたが後部座席には生後六ヶ月の白川の娘が眠っていた。 「何があったんだ。」運転している白川に話しかけた。 普段なら運転中に話しかけられても応えない白川が不機嫌なことがよくわかる声と口調で 「塔矢君が進藤を襲ったようです。望ちゃんが進藤の実家に泊まりに行っているんです。あの家に二人っきりだったのが悪かったのか。あかりは今晩進藤と一緒にいると言っていました。詳しいことは塔矢君を捕まえてからでしょう。」 アキラは進藤の言ったとおりになかよし山のトンネルにいた。 オレの姿を見て反対側へ逃げたがそちらには白川が控えていて難なくアキラをとらえていた。 白川の家にアキラ共々連れてこられた。 PR
「進藤ならあかりが慰めていますよ。」
「二人とも気づいてなかったんですか。進藤はね精神というか心はホモセクシャルですけど肉体はストレートでね女性にしか対応できないんですよ。」 「進藤の好みは好きな男に見られながら女とセックスすることなんです。あかりも同類なんです。ああ、あかりはどちらも精神も肉体もストレートですよ。好きな男に見られながら別の男とセックスをするのが好きでね。」 「どうも原因は進藤の師匠のようでね。進藤の師匠は平安時代の碁打ちの幽霊だったそうですよ。」 「あのふたりは心が同調しやすくてね。他の人にはわからない進藤の師匠をあかりだけは知っていたんです。とても綺麗な人だったそうですよ。進藤もあかりもその人が初恋で、その人も平安時代の人だから男女は問わないし二股は当たり前なんですけど触れられない。その人の提案で進藤とあかりはセフレになり、進藤の師匠は碁だけでなくセックスの指導もしたんです。」 「中三のこどもの日に進藤に指導碁している最中に急にその師匠は消えてしまった。」 「僕があかりと付き合うようになったのはその後でね、あかりは僕に対してはまぐろですよ。慣れは怖いですね、僕も今では自分があかりとするよりもあかりが他の男としているのを見る方が好きでね。まぁ、そんなこと進藤ぐらいにしか頼めないのですがね。」 「進藤もね、塔矢君の両親と一緒の間は幸せだったんですよ。塔矢先生は心臓を患っていらしたから用心してらして、」 「塔矢先生が亡くなったとき進藤がまた壊れるかと危惧したんですけどあかりと塔矢君の言うことは聞こえていたから。塔矢君は進藤にとって塔矢先生のように特別だなと判ったんですよ。」 「家族一緒の部屋で寝ていたでしょ。あれは進藤が君にお母さんとのセックスを見て欲しくてそうしていたんですよ。」 「それなのに、進藤をレイプするなんて。」 「うちでもね、あかりが進藤に同調してパニックになって大変だったんですよ。」 「塔矢君、今後自重できるようなら家へ送りますけれど、無理なら君には韓国に留学してもらいます。選んでください。」
file01:望
身も心もヒカルを自分のものにしたいアキラ君と、ヒカルの身は自分たちの夫婦円満に必要なので確保したい白川夫婦(白川・あかり)の攻防戦と心はすでにアキラ君のものだけれど身については躊躇しているヒカル君と、巻き込まれた緒方さんのはなし。 アキラが12歳年下。義理の父(ヒカル)子(アキラ)。 ヒカルが二十歳の時、行洋氏から本因坊を奪う。その一月後行洋氏心筋梗塞で死亡。二年後、明子さんヒカルと再婚。娘に恵まれるも明子さん交通事故死。 葉瀬中囲碁部 関係 上級生 筒井・加賀 同級生 三谷・進藤・白川・夏目・金子・藤崎・津田 進藤・白川 中二でプロ合格 同期は他に緒方 緒方とアキラは異母兄弟 緒方の母は行洋の先妻の親友。豪傑タイプ。先妻(故人)の誕生日に二人で偲んで、飲んで、二人ともウワバミのはずが酔った勢いで関係し、緒方が出来たが互いに違うと分かっていたので認知のみ。人柄が穏やかな弁護士と結婚している。緒方も行洋は生物学的には父親と思っているが師匠としての比率の方が高く、現在の父親が家族・父親と思っている。アキラについては弟だと思っているし、可愛いとも思うが囲碁界でも緒方の父親が行洋だと知っているのは一部なので意識して弟弟子として接しようとしているが自分がアキラに対しては甘いと自覚している。アキラは知識として緒方が異母兄と知っているが物心ついたときには師匠の息子、弟弟子として接してきていたので感覚としては父の一番弟子、兄弟子の部分が大きい。無意識に緒方が自分に甘いのを気づいているのか自覚していないが緒方に甘えている部分がある。 囲碁サロン:行洋が開設した。採算よりも囲碁普及が目的の囲碁サロンなので一定額以内なら赤字可。学割・女性割・高齢者割・サークル割引制度あり。塔矢門下・森下門下のプロの来店も時々あり。 市河と金子が高校囲碁部の同級生。 緒方が進藤・白川を連れてきて、進藤・白川が葉瀬中関係を、葉瀬中関係が進学先(金子が市河を連れてきたなど)・就職先の人を連れて来ることが多い。市川が短大在学中にアルバイトで受付になり。卒業後はフルタイム。 塔矢行洋の死後 弟子のほとんどは森下門下に移っている。 アキラの後見人は森下。 明子の死後 森下がアキラを引き取るはずがアキラが拒否。 明子の遺産はほとんど行洋からのものだったのでアキラへ行くべきだとヒカルと望は相続放棄している。家も、囲碁サロンの入ったビルも所有者はアキラ。家はヒカルが不動産会社を通じて家賃を払っている。アキラはそのことは知らない。 昭和54年(1979) 02月 行洋(25)の先妻明子(25)事故死 昭和55年(1980) 02月 明子誕生 昭和61年(1986) 05月17日 あかり誕生 07月03日 白川誕生 09月20日 ヒカル誕生 昭和62年(1987) 01月17日 緒方誕生 父:行洋認知 平成7年(1995) 05月05日 緒方母(41)弁護士と結婚 平成9年(1997) 06月 明子(高3・17)祖父他界 行洋(42)明子(17)を引き取る 平成10年(1998) 元旦 ヒカル:数13歳 03月 明子(高3・18)高校卒業 03月 行洋(43)・明子(18)結婚 秋? ヒカル(小6・12)と佐為が出会う 12月14日 明子(18)男児出産 命名:アキラ 平成11年(1999) 04月 ヒカル(中1・12)中学入学 ヒカル・あかり(中1・12)・白川(院生・中1・12)囲碁部入部 12月 ヒカル(中1・13)院生 平成12年(2000) 10月 緒方(中2・13)・白川(中2・14)・ヒカル(中2・14)プロ試験合格 平成13年(2001) 05月05日 佐為 消滅 05月 第10回若獅子戦 07月 ヒカル(中3・14)プロ復帰 10月 ヒカル(中3・15)塔矢研究会参加 アキラ(3)ヒカルに出会う ヒカル 時々塔矢家に泊まるようになる。 緒方、ヒカルと塔矢夫妻の関係に気づき、行洋に苦言する。 平成14年(2002) 03月 中学卒業 ヒカル 塔矢家に週一ペースで通うようになる。 04月 あかり高校進学 05月 第1回北斗杯(代表:緒方・白川・ヒカル) 05月 第11回若獅子戦 平成18年(2006) 04月 ヒカル(19)本因坊挑戦者になる。現本因坊:行洋 06月 ヒカル本因坊になる 07月 行洋(52)心筋梗塞で死亡・アキラ(7)・明子(26) 平成20年(2008) 09月20日 明子(28)・ヒカル(22)結婚 アキラ(9) 平成21年(2009) 05月05日 明子(29)望出産 11月23日 明子(29)交通事故死 平成23年(2011) 10月 アキラ(中1・12)プロ試験合格 平成24年(2012) 04月 白川(25)十段になる。あかりにプロポーズ。 平成25年 06月 アキラ(中3・14)高校進学でヒカルと言い争い。 その夜、ヒカルを襲う。 緒方にとって塔矢アキラは囲碁の世界では自分の後ろにぴったりと張り付いて、肩に手を掛けられたそんな気持ちを持っていたが、日常の中ではそれこそ産まれたときから知っていて、おむつ変えたこともある、学生時代小遣い稼ぎにバイトで子守もしたこともある、本人は中学を卒業したばかりのくせに大人のつもりでいても実際がまだまだ子どもの、甥のような、歳の離れた従弟のようなそんな存在つまりは恋愛の対象にしない、ではなく範囲外すぎて考えもしない存在だった。 だからその日もアキラと碁会所ではじめた師匠の中国リーグでの棋譜の検討が終わらず碁会所をしめる時間になってしまった時には軽い気持ちで自分の部屋に誘った。碁会所は冷房が効いていたが外は夜になっても蒸し暑く帰ってくるまでに下着が貼り付くほど汗をかいてしまった。家を出るとき25度に設定しておいたのを2度ほど設定を下げ、最近見つけた店のクッキーをトレイに並べてノンカフェインのインスタントコーヒーをアイスにして一緒に食卓に出して着替えてくるまで待ってくれるように言って寝室に引っ込んだ。寝室に鍵を掛けることなど思い浮かびもしなかった。クローゼットからクルーネックのTシャツとフ レアスカートを出し、汗を吸った下着の替わりに伸縮性のあるタンクトップを身につけることにしてタンスから出した。身につけていた衣類を全て取り去って深呼吸したとき、ノックがして寝室のドアがすこし開き、アキラがためらいがちにトイレを借りたいと声を掛けてきた。ドアの前には屏風のようなスクリーンを置いているのでアキラの位置から緒方の姿は見えないはずであったから緒方は一瞬びっくりしたもののリラックスした声でかまわないと応えた。が、アキラの立ち去る気配がなく緒方はいぶかしげに「アキラくん、どうしたの?」と尋ねるとアキラは何も言わずにドアを開けスクリーンをどかし寝室に入ってきた。全裸の緒方は 慌ててスカートで身を隠そうとしたがアキラは緒方をベッドへ押し倒し、唇を押しつけてきた。 来年三度目の年女になるにも関わらず独身の緒方であったが、今まで恋愛経験がなかったわけではない。相手から囲碁を取るか恋愛を取るか選択を迫ら れたときに限ってどういう巡り合わせだか重要な対局が組まれていてその都度囲碁を選んできただけのことだ。育児などに追われてしまっているのか普段勉強していない、そんな女流を見てしまって「ああはなりたくない」そう思ってここまで、女流として初めて七大タイトルのうち二冠を得るところまで上り詰めたのだ。 アキラがのぼせ上がって爆発寸前なのは見て取れた。これを止めることはできないだろう。緒方はあきらめてアキラに身を任せることにした。とにかく一旦爆発させていつもの冷静なアキラに戻ってから今後こんな事をしないように言い聞かせるしかないだろう。 アキラが何かぶつぶつと言っている、耳を澄ませてみると「お父さんじゃなく僕を見て」と言っているようだった。師匠を恋愛対象で見ていたのは恋に恋していた昔々の話しで、いまでは師匠ほど恋愛に向かない性格の人はいないとわかっている。だから、師匠に恋し続けていられる明子夫人は緒方にとって驚異の人であった。だが囲碁の世界では自分はずっと師匠を追って、師匠を見てきた。師匠が倒れる直前、背中の見えるところまで一旦追いついたと思ったが、結局また追い抜かれてずいぶん先へ行かれてしまった。アキラは自分が師匠を見ているのを恋愛だと誤解しているらしい。 翌朝、アキラに説教をして帰した。それからもアキラが緒方の隙をねらっているのは感じたが放って置いた。そのうち、同年代の子とつきあうようにな れば自分のことなど忘れるだろう。 |
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