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ひかおが

ヒカル25歳

実家のそばのマンションに一人暮らし。(大家は加賀の親)
実家を出たのは18歳のとき。
もっと前から出たかったけれど親が許さなかった。
最初は平八さんの知り合いのアパート。
ここで2年。失敗したら実家に戻る約束。
20歳の時試行期間終了。自分の好きなところで暮らしてよいと言われた。
棋院に近いところにすんでみたが仲間の溜まり場になってしまった。
今回が3軒目。

隣は筒井とあかりの夫婦。
ふたりは偶然同じ会社に就職。
それぞれ別の専門職。
職場の囲碁サークルに所属。
すんでいる部屋は借り上げ社宅。
あかりは先週、産休に入ったばかり。
希望としては島根に転勤でいる親のところで里帰り出産だったが、産院不足で里帰り出産させてくれる病院が見つからず東京で出産の予定。
筒井の両親は筒井が高校生の時に交通事故死。父親の従兄弟が後見人になったが遺産(保険金と賠償金など)をだまし取ろうとした。
加賀の父親が気づき阻止した。
このことがきっかけで加賀は父親を見直した。筒井は加賀の家に大学卒業まで寄宿した。

遊びにきたヒカルがあかりたちの部屋を気に入って隣の部屋(角部屋、通路最奥)が空いたと聞いて越してきた。大家が加賀の親なのが玉に傷と思っている。
緒方は送ってきたことはあるがマンションに入ったことはない。
筒井とあかりはヒカルと緒方の関係を知っていて、ヒカルも知られていることは知っている。緒方は知られていることを知らない。
美津子(ヒカル母)も二人の関係は知っているが、ヒカルは知られていることを知らない。緒方は知られているのではないかと推測しているが確証はない状態。


ヒカルが15歳の夏、イベントで同室になった。
三人部屋の予定が一人体調を崩し女流に変更になったため二人部屋となった。
緒方が一年前の5月に夜自分と打ったあと不戦敗が始まったことをヒカルに尋ねた。ヒカルはごまかしたが緒方はヒカルの傷に触れたことに気づき、後悔した。ヒカルも自分のごまかしかたが下手だから緒方にいらない心配、迷惑をかけたと思った。
東京に帰ったあとそれまで(佐為のことを訊かれたくないヒカルはそれまでできるだけ緒方をさけてきた。)よりも接触が増えた。
いろいろな場面でヒカルは緒方の優しさ、厳しさを知った。緒方はヒカルの弱さ、強さを知った。

16歳の夏、それぞれが自分がどういう意味で相手が好きなのか自覚した。
そして相手にも回りにも隠すことをそれぞれ決めた。

ヒカルの17歳の11月、二泊三日のイベントで二人部屋の同室になった。
一日目、未成年のヒカルは夕食後部屋に戻った。緒方は旧知の参加者に誘われ歓楽街へ行った。
ヒカルは緒方との同室になれるという近さ、歓楽街へ行った緒方との遠さが切なくて泣きながら寝てしまった。
帰ってきた緒方は涙の跡が残るヒカルの寝顔を見てヒカルを守れない自分の腑がなさを嘆いた。
緒方が帰ってきた気配で目が覚めかけたヒカルは緒方の手が自分の顔に触れたこと、聞き取れないが何かしゃべったことをなんとはなく意識したがまた眠ってしまった。
二日目、イベントも無事終わり宿名物の大浴場ですれ違いお互いの裸体を見てしまった。それぞれ部屋に戻り就寝したが、意識しすぎてどちらも寝付けず、でも相手に悟られたくなくて狸寝入りした。いつの間にか寝てしまったが喉が渇いて起きたヒカルは緒方の寝顔を見て衝動的に唇にキスをしてしまった。まだ実際に寝ていなかった緒方は思わずヒカルの腕をつかんでしまった。
見つめ合い、ヒカルの瞳の中に自分への思いを見つけた緒方。
隠すと決めたのにばれた、嫌われるとパニックになるヒカル。
(人生経験の差)
ヒカルへの愛おしさに緒方はヒカルを引き倒して、抱きしめキスをしてしまう。
緒方の状態から緒方が寝ぼけて自分を女と間違えたと思い冷静になるヒカル。
途中で自分だと気づかれたら、手を離されてしまうけれどそれまでは身を任せたいと思ってしまったヒカル。
抱きしめたことで緒方もヒカルの状態に気づいた。

緒方に耳元で「進藤」と囁かれ、腿で触れられ、ばれたと逃げ出そうとするヒカル。
だが、緒方に抱きしめられ身動きが取れない。



東京に戻り、昼、緒方の部屋で密会を重ねる二人。
未成年で親と暮らしているヒカルは無断外泊できない。
友だちと認識されている和谷、塔矢、伊角ならともかく、緒方について親にどう説明すればよいかわからないヒカル。
一人暮らしをしたがるヒカル。
危なっかしさを感じる親は許さない。
そして抱きしめ、キスまでしかしない緒方に対し温度差を感じての精神的不安定。
18歳になり試行とはいえ一人暮らしを始め、緒方に初めて泊まるように誘われ覚悟を決めるヒカル。
男を抱いたと、男に抱かれた。
緒方はヒカルの恋が若さ故の勘違いとの思いが捨てられず、
ヒカルが後悔した時、何かで自分たちのことを知る人が出たときのヒカルのダメージを考え自分が抱かれることを選んでいた。


ヒカル25歳。
雨の夜、体調が悪いあかりに頼まれ買い物に出た筒井。
ひき逃げにあい、死亡してしまう。
持っていた携帯の最後の通話先が加賀。
警察から加賀へと連絡が入る。
加賀はあかりへ連絡しようとして直前の電話で筒井があかりの体調が悪いと話していたのを思い出して隣の部屋にいるはずのヒカルに付き添わせようとヒカルへ連絡を入れた。
緒方の部屋にいたヒカルは自分の母親(美津子)に連絡してあかりと一緒に病院へ行くように頼み、自分も病院へ向かおうとする。
病院のそばまで車で送ってゆく緒方。

筒井の葬儀までは東京にいられたけれど仕事で島根に戻らなければ行けないあかりの父親。
腎臓が悪い父親は食事制限があり母親も一緒に帰ることになり、あかりは出産まで進藤家の世話になることになった。

ヒカルは忙しい合間に母の言いつけであかりの送迎をしたり、偶然あった時に荷物を持ってやったりしていた。
見ていた人がいたのか棋院でヒカルが結婚する、もうすぐ子供が生まれると噂が流れた。



噂を聞いた緒方は身を引こうとヒカルとの接触をさけ始めた。
緒方にさけられたヒカルは精神的に不安定になっていった。

そんな中、あかりに呼び出されて初めてヒカルの部屋を訪れた緒方は
思いもかけないヒカルの姿を見ることになった。

ヒカルをさけたことを悔やむ緒方にあかりは自分がヒカルとは姉弟のような幼なじみであること。
ヒカルと緒方の関係を知っていること。
ヒカルの母(美津子)も二人の関係を知っていて許していることを告げた。

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 先週から住み込みで働き始めた家で与えられたのは


どこから話せばいいんだろうな。と進藤は話し始めた。

あかりがさ、好きになるのが女ばっかだっていうのはうーんそうだな、気がついたのは4年か5年の頃?小学校のだよ。あいつの初恋はね、幼稚園の時のよしこ先生。そのあともゆきちゃんだとかせっちゃん、木田とか水谷とかそうだよ、木田も水谷も中三の時同じクラスだった木田つぐみと水谷希恵、そうああいいうかわいいって言うより綺麗って感じの奴。だから、初めて塔矢みたとき思ったのが「ああこいつ、あかりの好みだ」って。あと思ったのはアイツ、俺の知り合いであかりに会わせることができないまんまいなくなった奴なんだけど、あかりに会わせていたらアイツ男だけどあかりはあいつを好きになったかもしれない。アイツはあかりのこと気に入ってたけど。

俺はさ、どう言えばいいんだろ。そういうのが壊れてるっていいうのか、誰かに恋をするっていうのがないって言うか。うん、ずっと一緒にいてほしいって奴はいない。一緒にいるのが当たりまえで、でもいなくなったヤツならいる。そいつしかいらない。でもそいつはもういないんだ。うん、からだはさ、されれば反応しちゃうけどさ。だから、あかりにも塔矢にもさ子どもできちゃったんだけど。恋とかじゃないけどあかりも塔矢も俺の前からいなくなるのはやだっておもう。

あかりが女しか好きになんないってのも、俺が誰も好きになんないってのもさあかりの親も俺の親も、ああ、あとあかりのねぇちゃんも知ってる。でもさ、おれとあかりは一緒にいるのが当たり前っていうのもなんかある。むかしさ、あかりが高校の時、男を知ってる知らないってのがさ、あいつも好きになるのは女ばっかだけど別に男が嫌いって訳じゃないし、人並みに好奇心はあるし、でも下手なヤツに、上手い下手ってことじゃなくてそういうことするんならそれなりにおつきあいみたいなことしなきゃならないし、あかりにしてみれば男と付き合うのはやだし、後腐れなく別れられないと困るし、でオレに白羽の矢を立てたの。オレなら別に別れる必要もないし、オレの方も周りの奴らがお節介なことしてくるのがやで渡りに船だったの。でも、失敗しちゃってさ。あかり流産しちゃって。で、俺たちがこんなだってばれるよりはって親たちが婚約決めた。あかりが学校でたら、高校か大学か専門学校かわかんないけどとにかく学生じゃなくなったら正式にって。

オレと塔矢は初めてあったのは小六の時だけどまぁそれからいろいろあって話とかするようになったのは中三の時。それからは時間があれば打つようになった。あいつはすごい世界が狭いヤツで、ほんとに碁だけ。オレもそういうとこあるけど。一番身近なのが両親とオレ、ちょっと離れて塔矢門下の緒方先生とか芦原さんあと芦原さんの奥さんとあかりもいまここかな。その次が塔矢ちの碁会所の常連さんや桑原のじーちゃんや倉田さん、高永夏とか強い人、その次が棋院の事務の人とか金子もたぶんここ。これ以外の人って区別ついてないんじゃないかな。

あかりはさ、塔矢のこと知ってからずーっと塔矢、塔矢って感じでさ。高校の頃からオレのこと口実に塔矢ちの碁会所通うようになってさ。あかりが塔矢・塔矢ってうるさいからあかりんちのおばさんとかあさんが碁会所に挨拶だとかいって菓子折持ってきたことがあったけどオレはいなかったけど塔矢はいて、かあさんたちもあかりが塔矢のこというとそうよねぇって。そんな感じだった。

あかりが大学入ったころかな碁会所の受付のおねえさんが子どもできてフルタイムで働けなくなったんであかりが夜バイトするようになったんだ。あかりにしてみれば塔矢に会えるいいバイトだし、オレと塔矢にしても都合がよかったんだ。打ってても検討しても碁会所だと閉店時間があるし、場所うつすにしても夜にオレと塔矢だけだとやっぱりいろいろまずいけどあかりが一緒なら塔矢んちで徹夜でも大丈夫だし、メシはあかりが作ってくれるし。あかりが大学卒業したあと一応、結納とかしてさ正式な婚約ってしたけど周りに宣伝することでもないしって特に言わなかった。結婚は何年か先で感じであかりが大学行かなくなって昼間は花嫁修業って言うのか料理とかお茶とかお花とかあと、フィニッシングスクールとか習うようになったのが違うくらい。オレも塔矢もさ十七・八くらいからタイトル戦の挑戦者にはなるようになっていたからさ、あかりもタイトルフォルダーの奥様になる勉強が必要だろうって。実際オレが初めてタイトルとったのはあかりが大学卒業した年の七月だし。

塔矢がオレを好きってのはさ、オレだけじゃなくて碁会所の人も棋院の人も気がついてた。塔矢本人はさ碁バカだからライバル心と恋の区別ついてなかったけど。周りからは注意されてた。オレについちゃ塔矢よりあかりに優先権があるんだって。でもさ、あかりにしてみれば塔矢が最優先だし、オレにしてもあかりと塔矢だったら碁のことだったら塔矢が優先だったから問題なかったんだけどな。

そうやって、俺たち三人には居心地のいい時間だったんだけど親たちの方が焦れて、去年の正月に言われたんだ、あかりの二十七の誕生日に結婚しろって。何度か家を出ようとしたけどそんな時間もとれないって言うかそれよりは塔矢と打ってる方がいいというかそんなこんなでオレは二十六にあっても親と一緒だったんだ。五ヶ月しかないけど家を探したりの準備は親たちの方でするからって。で、正月のばたばたが収まった頃、うん一月の終わりに塔矢には言ったんだ五月に結婚するって。タイミングが悪かったのはその翌日、塔矢先生夫婦が上海で交通事故にあって亡くなった。塔矢と一番弟子の緒方先生が上海まで遺体引き取りに行ってこの家で通夜と葬式だったんだけど。塔矢が壊れちゃったんだ。さっき言っただろ、塔矢にとって一番近いのがオレと両親なのに、全部いっぺんになくして。通夜はさ、塔矢と塔矢門下の緒方先生や芦原さんと芦原さんのおくさん、それと塔矢先生の同期だった森下先生だけでオレは帰ったんだけど。みんな疲れててうとうとしてたらしいんだけど突然塔矢がオレがいないって言い出して家中探しはじめて、見つからないからって外に行こうとしたのを引き留めたけどその間もオレのこと呼び続けてたって。夜中の三時だったけどオレ呼び出されてこの家にきたら塔矢に抱きつかれてそれ以来、アレとか対局の時とかほかに注意が向いているときは大丈夫だけどオレが自分の見える範囲にいないって気づくとパニック状態になる。

葬式のあと塔矢をどうするか問題になって、こんな状態は二・三日で直ると思ってたから芦原さん夫婦とオレとあかりがそれまでこの家に泊まることになった。けど、初七日を過ぎても一ヶ月たってもだめだった。やばかったのが塔矢の親戚にこのことがばれることだった。塔矢先生も奥さんも一人っ子同士のはとこ同士の結婚だったんだって。で先生たちには従兄弟もいなくて一番近いのが先生と奥さんのはとこっていうおっさん。葬式の時から仕切りたがって形見分けとか言って奥さんの宝石とか勝手に持ち出そうとしたりして大変だったんだ。とにかく塔矢を誰かと結婚させて、結婚したあとこういう状態になりましたって言えば塔矢の旦那さんを後見人にできるけど。ふつうはさ、塔矢くらいのお嬢様なら二十六にもなればさ、親とか周りが結婚のお膳立てして、塔矢もさ、碁バカだからそんなもんかって何にも考えずに結婚してたと思うよ。でもさ、塔矢先生たちも塔矢がオレのこと好きだって知ってて、でもあかりのことがあるからオレには何にも言えなくて。あきらめてたんだって緒方先生に言われた。

四十九日の時に森下先生・緒方先生・芦原さん夫婦とオレで塔矢をどうしようって話になって。塔矢もいたけど何の話をしてるのかはわかってなかった。緒方先生なら塔矢先生の一番弟子だしちょうどよかったんだ。でもさ、問題があって、もし、塔矢になんかあったら塔矢家の財産が例のおっさんとこ行くから塔矢に子供を産ませられる人ってのが条件だったんだけど緒方先生、昔かかった病気のせいでだめなんだって。それに、緒方先生もあかりと同じって言うか恋人男の人だし。緒方先生の恋人って言うのも候補者だったんだ。森下門下だけど穏やかで優しい人だし。これも緒方先生が自分以外さわらせないって言い出して駄目で。もう一つ問題があって、オレがいなきゃ塔矢がパニック起こすから塔矢と塔矢の旦那がそういうことしてるときオレも同じ部屋にいなきゃなんないってことで、緒方先生がオレならあかりのことさえなきゃ問題ないのにって言い出してさ。あかりはさ、オレと塔矢が結婚しても怒らないってオレは知ってるけど、あかりと塔矢を会えなくしたらすげぇ怒るだろうけど。他の人には言えないし、あかりに来てもらうってオレあかりのことを呼び出したんだ。オレよりあかりの方がこういうことに頭回るし。

あかりが来てさ、話聞いて出してきた提案がオレと塔矢を結婚させる。で、自分を同居させろって。自分とオレは物心ついたときから一緒にいて離れるなんて考えられない。塔矢がこんな状態なんだから塔矢とオレが結婚する、子供を作るって言うのは仕方ないとは思うけど自分もオレとは離れられないし、子どももほしい。誰かしら塔矢の世話をする人間が必要なんだから自分でもいいじゃないってさ。

市河さんが、芦原さんの奥さんで碁会所の昼間の受付の人ね、あかりを説得しようとしてさ、親のこと持ち出したんだ。まぁそれがあかりの作戦だったんだけど。あかりの親はさ、あかりが塔矢・塔矢って言ってたの知ってるから同居の目的がオレじゃなくて塔矢だってわかってるし、あきらめの境地ってやつ。あかりのねぇちゃんは三十だけどオレと同じで色恋沙汰に興味なくて一人暮らししてるけどたぶんずっと一人のままだろうって感じ。だからせめてもう片方だけでも戸籍はどうでもいいからっておもってたんじゃないのかな。あかりに呼び出されて自分たちはかまいませんって断言してさ。うちの親も来てさ、あかりがそれでいいって言うならかまわないて言って。その日のうちに役所に届けだして。

碁の方もさ最初は塔矢を引退させようと思ったんだよ。塔矢は名人と十段と女流のタイトル全部持っていてすごい大事になるんで引退は駄目だって。一度、対局中に俺がトイレ行ってる間に塔矢が発作起こして以来、オレと塔矢の対局は大部屋じゃなくて別室になったけど。塔矢の碁がさ、今までは秀才の力碁だったのが発想が柔らかくなったというか、倉田さん曰くたがが外れて天才の碁になったって。

金子のことはさ、あかりや筒井さんがずっと探してたんだ。三谷の事故のあと子ども産んだって言うのはさ親がどこかで聞いてきたけどそのあと引っ越しちゃっただろ、どこに行ったんだって。そしたらこの前、ええとそう高瀬さんだ、高瀬さんの葬式で見かけてうん、むかし指導碁に通ってたんだ、まだ高瀬さんがしゃきっとしてた頃。で、紹介所教えてもらって。

そのとき、「進藤、進藤」と彼の妻の声が聞こえた。「大丈夫だ、塔矢すぐ行く」その声が聞こえたのか廊下を挟んだ居間の襖が開いて彼の妻が姿を現した。全裸ですでに六ヶ月という腹はせり出している。乳首は吸われたのか弄くられたのか内出血しているのではないかと思われるくらい赤黒くなっている。普段は夫の愛人により大切に手入れされている乳房まで伸びた日本人形のような髪だけではなく全身、とくに陰毛や内股から足にかけては紅い油のようなものがしたたっていて床を汚している。居間の畳にもシミができているに違いない。元は陶器のように白かった肌は胸から下腹部、背中から臀部にかけて元の色がわかるところが少ないくらい唇の形をした濃淡のある内出血で染められていた。「金子すまないけどあかりをみてきてくれないか。大丈夫そうだったら風呂場連れてきてくれ。この調子じゃあかりのほうも相当汚れてそうだ。」そういうと進藤は彼の妻をお姫様だっこをして浴室へ向かった。そうしなければ床はさらに汚れていたかもしれない。

寝室に行くとすでに臨月の彼女は放心状態だった。「藤崎さん、藤崎さん」耳元で声をかけるとほわっとため息をつき意識を取り戻したようだった。「金子さん?」「お風呂へ行った方がいいわよ。いま、進藤が塔矢さんを入れてるわ。」「ヒカルがアキラさんをですって。」「一人で行ける?」「大丈夫よ」「じゃぁ、その間にここを片付けておくわ。換えのシーツはどこにあるの。」「一番奥のヒカルのベッドの下の引き出しに」そういうと藤崎さんは自分の回りをみて惨状に気がついたようだった。「自分でするわ」「夕飯の時にも言ったけれど、あなたはもういつ陣痛が起きてもおかしくないのよ。もう少しおとなしくしてて。塔矢さんだって安定期に入ったと言っても何をしてもよいわけじゃないのよ。早産のリスクを甘く見ないで。」「ごめんなさい。今日で最後にしようと思って名残惜しくないようにって思ったら」「エスカレートしていったね。とりあえずはお風呂に行って。できれば自分のだけじゃなく二人の着替えも持って行ってくれる。ちょっと待って、そのままじゃ床が汚れるわ」ベッド脇のワゴンにあったタオルで脚をさっと拭き取った。

相場の三倍の給与に同情からかと聞いたら藤崎さんに妻妾同居の口止め料と妊婦二人と子ども二人の世話を頼むのよ。金子さんじゃなかったとしても同じだけ払うわ。といわれた。二十三歳の時七ヶ月の早産で産んだ息子は妊娠初期に気がつかずに受けた交通事故の検査のせいか、早産だからなのかひどく体が弱く東京では育てられなくて自分の両親が長野で育てている。十五歳までは医療費がかからないとはいえ十六からはどのくらいかかるようになるかわからない。子どもを亡くした三谷の両親の面倒も息子にとっては祖父母なのだからできればみてやりたい。だからここを紹介されたときは給与に惹かれたのは嘘ではないがこういった後始末の手間を考えると収支はとんとんかもしれない。

あかりの母親は進藤平八の姉の娘。
あかりの父親は進藤美津子の父方の伯父の息子。
あかりやあかりの姉とヒカルは二重に再従兄弟。
佐為の碁盤はあかりの母方の祖父(平八の義兄)の形見分けで平八のところに来た。

高一

あかり、筒井や加賀と同じ高校へ進学。囲碁部入部。夏
あかり、筒井と付き合いはじめる。

初 失敗。筒井、加賀に相談。

筒井、あかりに破局を頼む。筒井と加賀の関係を知る。

高二

筒井、加賀の浮気に悩む。あかり相談にのる。 3P提案。
2月初
筒井・加賀 ツーリング出発
3月初
あかり姉、雪崩で遭難。両足首・左腕切断・流産・子宮摘出
3月中旬
筒井・加賀 東京通過。藤崎家泊。両親は姉の見舞いで不在。
3月下旬
筒井・加賀 山形で交通事故死

高三
6月
妊娠自覚
7月
母親に気が付かれる。中絶を諭される。拒否。ヒカルに助けを求める。
8月
高校中退
9月
ヒカルの誕生日に入籍。
11月
女児出産 公子と命名。
百恵
A←H
アンハッピー

あかりが高校一年の秋、中学卒業以来久しぶりに偶然ヒカルと会い指導碁をしてもらった。お互いの近況をはなしたりしたがヒカルの話は塔矢アキラへのことばかり。ヒカルの愚痴を聞いたあかりは「ヒカル、それは恋だよ」と思わず言ってしまう。

恋を自覚したヒカル。告げることのできない恋。恋の愚痴を言えるのはあかりにだけ。そしてヒカルは恋を愛に熟成させてゆこうとする。

それなりに出会いもあるが、ヒカルとつきあっていると誤解されがちで彼氏いない歴更新中のあかり。高校三年の夏、予備校からの帰り道にたちのわるい男たちに絡まれたところを加賀に助けられる。これがきっかけで二人はつきあい始める。

平八とあかりの父方の祖父、正夫とあかりの父は二代にわたり幼なじみの親友。美津子とあかりの母はさほど親しくない。会えば世間話をする程度。
正夫とあかり父、あかり母、加賀母は葉瀬中の同級生で野球部で二遊とマネジ。加賀父は二級上の捕手。加賀母と美津子は高校同級生。

アキラはヒカルをライバルであり、親友と思っている。ヒカルの思いには気づいていない。ヒカルはあかりとつきあっているが碁を優先していると思っている。後援会からの紹介で26歳の春、見合い結婚。戸籍上は妻の姓を使うようになる。(行洋は次男なのでこだわりはなかった。)

ヒカル、27歳の誕生日。夏がぶり返したように猛暑日となった。イベントやタイトル戦などですれ違いが続き一ヶ月ぶりに棋院でアキラと話をすることができたヒカル。告げられたのは妻が12月に出産予定とのこと。「君は結婚の予定は」「相手もいないのに?」「藤崎さんと」「あかり?あいつはただの幼なじみ。中学のときの先輩と結婚して12月には子供が産まれんの」「12月?うちと同じだ」「へー、子供できたんだおめでとう。」そのころ塔矢邸ではアキラの妻が熱中症になり、偶然訪ねてきた実母の通報で救急搬送されていた。

アキラの妻。江戸時代から続く商家の出。明治以降は小財閥。代々娘に婿をとってきた。母方の祖母も実母も育児は使用人まかせ。実父も仕事人間で家庭に興味なし。父方の祖母と母方の祖父は気にはかけているが祖母は息子が養子なので、祖父は仕事が忙しく時間が取れない。家業と関係のないアキラを婿にと望んだのは祖父の意向。

実母は人から譲られた歌舞伎のペアチケットで友人の都合が悪かったので娘を誘いにきた。娘の様子が変なので会社の秘書課に救急通報するように言って都合のついた知人と歌舞伎へ行った。終幕前に呼び戻されたので機嫌を悪くした。

救急搬送された妻は熱中症でなくなり、娘は超未熟児で産まれた。
この娘が一時帰宅とはいえ病院を出ることが出来たのは4年後の秋、退院できたのは6歳の誕生日であった。

3年後、あかりの娘が2歳のGW
加賀は会社員。あかりは看護士(育児休業中。月1回研修参加)。
御殿場にある正夫の勤務先が契約している保養施設に進藤家(平八夫婦、正夫夫婦)、藤崎・加賀家(あかり両親・加賀、あかり、娘)で向かっていた。海老名サービスエリア手前で渋滞にはまる。トイレに行きたくなったあかりだけ先におりてサービスエリアに向かう。あかりが手を洗っているとすごい爆発音、ガラスが割れ、立ちこめる煙。渋滞の列に居眠り運転の車が突っ込み、サービスエリアのガソリンスタンドに給油のため渋滞の中にいたタンクローリー車も巻き込まれ爆発を起こしたため。ガラスでカスリ傷を負ったあかりは看護士として次々と運ばれてくるけが人の手当を始めた。一息ついた時に家族のもとに戻ろうとしたが炎上が続いており近づけなかった。




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